2007年8月24日(金)「しんぶん赤旗」
米軍ヘリ着陸帯建設
住民、資材搬入阻む
沖縄・東村 「自然壊すな」
沖縄県の米軍北部訓練場(国頭郡東村、国頭村)の一部返還に伴うヘリコプターの着陸帯(ヘリパッド)移設問題で那覇防衛施設局は二十三日、工事資材の搬入を強行しましたが、移設に反対して座りこみを続ける地元の住民らの抗議で中断に追い込まれました。
同日午前九時半ごろ、ヘルメット姿の施設局職員と工事業者ら三十人が移設予定の東村高江区の県道沿いの「N―1ゲート」に工事車両などで乗りつけ、「作業を開始する」と責任者の号令で工事用進入路に敷き詰める砂利の搬入に取りかかりました。
二十四時間体制で監視中の住民ら二十人がスクラムを組んで抗議。「私たち高江区は反対を決議している」「ヘリの飛ぶルートの説明もない」など口々に抗議の声をあげました。
施設局側は、県道の真ん中に工事車両を止め、工事資材や砂利の積み下ろしを強行。さらに、施設局側の責任者が住民と話し合っている間にフェンスに穴をあけて砂利の入った袋を訓練場内に投げこみ、進入路の山道にまき始めました。
支援にかけつけた名護市のヘリ基地建設反対協の大西照雄共同代表がハンドマイクで「住民の声を無視し、ヤンバル(県北部地区の通称)の豊かな自然を軍事基地で破壊することは許されない」と強く抗議。住民らの整然とした抗議に施設局側は午前十一時半、砂利を数メートルまいただけで「工事を中断する」と退去しました。
連日の監視行動をはじめこの日の抗議行動の先頭にたった「ヘリパッドはいらない住民の会」(旧ブロッコリーの会)。共同世話人の一人で、日本共産党東村支部長の伊佐真次さん(45)は「国の強行策は住民の怒りを増幅させるだけだ。住民パワーで多人数の施設局側を退去させた。村外からも県民がかけつけてくれ心強い」と語りました。
隣接区の宮城地区からかけつけた女性は「国は住民の声をまったく無視している。なんのための訓練場か、戦争のために税金をつぎこむほどムダなことはない」と怒りをあらわにしました。
ゲート前のテントに泊まりながら監視を続ける男性は「国のやっていることは住民の反対を無視して工事の“実績”づくりが見え見えだ。こんなやり方が『国策』なのか」と語気を強めました。
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