2007年8月26日(日)「しんぶん赤旗」

イラク部隊半減提案か

米統合参謀本部議長が意向

米紙報道


 【ワシントン=山崎伸治】二十四日付の米紙ロサンゼルス・タイムズは、米統合参謀本部のペース議長がブッシュ大統領に対し、イラク駐留米軍を半減するよう進言する意向だと報じました。

 米政権および軍高官の言明として伝えたもの。同議長はロイター通信に対し、この報道を否定していますが、米軍のペトレアス司令官による情勢報告が九月半ばに予定され、大規模部隊の駐留継続が予想される中、統合参謀本部内にそれに反対する動きがあることがうかがえます。

 同紙によると、ペース氏は「二〇〇八年中に十万人を優に超える兵力をイラクに駐留させるなら、軍を大いに疲弊させることになる」という統合参謀本部の懸念をブッシュ氏に伝えることになりそうだといいます。

 統合参謀本部は「他の脅威に対応する軍の能力を強化するため、イラク米軍の規模を縮小することは戦略的に欠くことのできないほど重要だ」と判断。その考えはゲーツ国防長官も共有していると言います。

 米軍は現在、イラクに兵員十六万二千人を派遣しています。統合参謀本部はこれまでも大規模部隊の長期駐留には懐疑的と伝えられ、ブッシュ氏が一月に増派計画を発表した際には、それに反対した軍幹部を更迭しています。ペース氏は九月末で退任します。

 これに関連し、共和党の重鎮、ウォーナー上院議員は二十三日、今年十二月にイラク米軍の撤退を開始すべきだと記者会見で表明しました。第二次大戦の帰還兵で海軍長官や上院軍事委員長を歴任した同氏の言明も、軍の意向を反映したものとみられています。

 同氏の言明に関連し、イラク駐留部隊の司令官の一人、リンチ少将は二十四日の記者会見で「米軍が撤退すれば、敵が戻ってくる」と述べ、イラク治安部隊への「移管」まで駐留は必要だと強調。「十二月末までの間は撤退すべきではない」との考えを表明しました。



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