2007年8月26日(日)「しんぶん赤旗」
問題はイラク首相ではない
“米政策の大失敗”
NYタイムズが批判
【ワシントン=鎌塚由美】九月半ばに予定されるイラク戦況報告を前に、米政界に広がるマリキ・イラク首相批判について、ニューヨーク・タイムズ(二十四日付)は、「問題はマリキ氏ではない」と題する社説を掲載しました。
同紙社説は、「米国の政策が大きな失敗をしているのに、ブッシュ大統領ではなく、マリキ首相を非難することは、皮肉な政略そのものだ」と厳しく指摘し、イラクでの戦況改善が見られないのはマリキ政権が悪いとする主張の盛り上がりをたしなめました。
また、米CNNテレビは二十三日、マリキ首相更迭キャンペーンの裏に、アラウィ・イラク前首相の米政界への働きかけがあると伝えました。
アラウィ氏は、暫定政府の初代首相で、フセイン政権下の亡命イラク人。米中央情報局(CIA)とのつながりが指摘されてきた人物です。
同テレビによると、マリキ首相の次を狙うアラウィ前首相はワシントンの有力ロビイストを雇い、米政界に働きかけを強めています。アラウィ氏が契約したロビー事務所には、ブラックウィル前大統領次席補佐官(国家安全保障問題・戦略計画担当)が会長として名を連ねています。
同事務所は二十一日、米議会スタッフあてにアラウィ前首相からの電子メールを一斉に送付。このメールには、マリキ首相への疑念が高まっている米紙記事や更迭を求めるレビン上院軍事委員会委員長に関する報道を添付されていたといいます。
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