2007年8月27日(月)「しんぶん赤旗」

身の丈にあう利水を

川辺川シンポで住民議論


 第十一回川辺川現地調査が二十六日、熊本県相良村・五木村で行われました。午後開かれたシンポジウムには県外者も含め二百二十人が参加。日本共産党の仁比聡平参院議員が来賓のあいさつをしました。

 同調査・シンポジウムは、住民のねばり強い反対運動や裁判の結果、もはや建設目的(利水・治水・発電など)を失った川辺川ダムにかわり、「身の丈にあった利水事業と住民が望む治水対策の実現」を求めて開催したものです。主催は市民団体らで構成する実行委員会です。

 仁比氏はあいさつのなかで、今参院選でこの問題にかかわってきた弁護士出身の候補者が自民党を制して当選したことについてふれ、「“身の丈にあった利水”と“ダムによらない治水事業”を求めた国民の審判であり、歴史的大敗を喫した自・公政権がこれ以上、目的を失ったダムにこだわりつづけることは許されない」と強調。「川のことは流域の住民のみなさんが決定する―このことをつらぬくために、みなさんと力を合わせて国会で全力を尽くしたい」とのべました。

 シンポジウムでは、川辺川利水訴訟弁護団長の板井優弁護士が基調報告。「ダム以外の利水、治水をどう実現していくか。住民が主人公となって現実に決定する時代がきた」と強調。各住民団体の代表者からも“身の丈にあった利水・治水とはなにか”について活発な発言が続きました。

 シンポジウムに参加した女性(86)は「川辺川は、ここで育った人たちにとっては『親』も同然です。昔は鍋に火をかけたまま、魚を捕りにいくなど、生活は川にありました。ふるさとの光景をなくすダムの建設には絶対に反対です」と話しました。



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