2007年8月28日(火)「しんぶん赤旗」
歴史も地理も「改ざん」
安倍首相「拡大アジア」論批判
人民日報
【北京=山田俊英】中国共産党機関紙、人民日報二十六日付は、「国際随筆」欄に「さらに何を改ざんしようとするのか」と題する呉酩署名の論評を掲載し、安倍首相の「拡大アジア」論を、歴史の「改ざん」を発展させた地理の「改ざん」と厳しく批判しました。
論評は、第二次世界大戦での日本のアジア侵略をめぐって「日本で『改ざん癖』が流行している」と指摘。「野蛮な侵略なのに正義の『解放』と強弁し、どん欲な略奪なのに善隣の『共栄』だと強弁している」と批判しました。南京大虐殺を否定し、「従軍慰安婦」を「自発的な遊女」と言うなど、「黒を白と言いくるめ、被害者を中傷している」と強く非難しました。
日本式「改ざん癖」の新たな発展が「大アジア」論だとし、「日本のリーダーはインド、米国、オーストラリアと一緒に『大アジア』を構築することを公然と提起した」と述べました。名指しはしていませんが安倍首相が先のアジア歴訪で打ち出した「拡大アジア」論を批判したものです。
「この大物からみれば、中国、東南アジア諸国連合(ASEAN)、中央アジア、西アジア、朝鮮半島、モンゴルはすべてアジアではなく、遠い大洋のかなたの米国、オーストラリアがアジアだ」と述べ、これを地理の「大胆な改ざん」と論評しました。
そして、安倍首相が訪問したインドなど三カ国が「拡大アジア」論に「必ずしも積極的でなかったようだ」と、冷たい反応だったことを紹介しました。
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