2007年9月1日(土)「しんぶん赤旗」

消火・防災体制を調査

福井 高浜原発で吉井議員ら


 新潟県中越沖地震で変圧器火災などの重大事故が発生した柏崎刈羽原発の問題を受け、日本共産党の吉井英勝衆院議員と成宮真理子京都府委員会国政委員長らは三十日、消火・防災体制の調査のため関西電力高浜原発(福井県)を視察しました。視察には、党京都府議や滋賀県議、高浜町議ら十人が同行しました。

 吉井議員らは原子炉格納容器内で、柏崎刈羽原発で地震により破損した、燃料交換や点検用のクレーンなどについて説明を受けました。また、使用済み核燃料プールや変圧器、消火設備の状況などを確認しました。

 高浜原発所長らとの懇談では、二〇〇六年三月に大飯原発(同県)でおきた火災での初期消火の遅れに疑問が集中。この火災では発見から三時間以上放水できませんでした。原発側は、二次災害の不安や情報提供の遅れなどをあげ釈明。夜間の常駐体制の拡充や消防との連携強化を「検討する」としました。

 原発視察のあと吉井議員らは、高浜・大飯原発を管轄する若狭消防組合消防本部とも懇談しました。消防職員からは「原発職員との信頼関係が難しい。もっとコミュニケーションが必要だ」と率直な意見が出されました。また消防と原発職員らとの合同訓練が〇六年度中は一度も行われていなかったことも分かりました。

 吉井議員の話 老朽化した原発で巨大地震と火災が同時多発的におきたときの防災対策を質問しても、あくまで「検討課題」という答えしか返ってこなかった。現状では対応できないわけだから柏崎(原発)と同じです。やはり専任の消防隊員が必要です。原発防災の対策はとりわけ自主防災が重要です。自分たちで完全に対応できないといけません。


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