2007年9月1日(土)「しんぶん赤旗」
同時多発テロ6周年 米各地で行動計画
「イラク戦争やめよ」声大きく
集会・デモ・議員に働きかけ
【ワシントン=山崎伸治】米国では同時多発テロ事件から六周年を迎え、連邦議会が再開される九月、大規模な反戦集会やデモが各地で計画されています。
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首都ワシントンでは、ANSWER(戦争停止と人種差別停止を今こそ)連合が主催する反戦デモが十五日に計画されています。これは同連合が五月三十一日に百万人規模の集会を開こうと呼びかけたものです。
デモを案内するポスターが早くからワシントン市内各所に張り出されました。これに対しワシントン市当局がポスターの撤去を要求し、一万ドルの罰金を科すと警告。同連合は八月二十日、表現の自由の弾圧だと裁判に訴えました。
十四日から二十一日には、イラク撤退を求める「平和宣言」にもとづいて、全米各地の反戦・平和組織が連邦議員に対する働きかけに取り組みます。
昨年に続くもの。「私は大多数の米国民、イラク国民、そして世界の人たちとともに、米国のイラクでの戦争を包括的に終わらせることを求める」とした「平和宣言」に賛同する全米五百八十組織が取り組みます。
全米最大の反戦・平和運動の連合体「平和と正義のための連合」(UFPJ)は六月の全国総会で決めた「イラク・モラトリアム」の最初の行動を二十一日に行います。
これは毎月第三金曜日に地域や職場、学校でイラク戦争反対の行動に取り組むというもの。抗議の意を示す黒いリボンや腕輪を着用したり、集会や学習会を開いたりといったさまざまな活動が計画されています。
アフガンから撤兵求め
15日に大規模デモ
ドイツ
【ベルリン=中村美弥子】ドイツの首都ベルリンで十五日、ドイツ軍のアフガニスタンからの撤退を求める大規模なデモ行進が予定されています。これまでに百八十以上の団体が賛同し、参加を呼びかけています。「アフガニスタンに平和を―連邦軍の駐留延長反対」のスローガンのもと、ドイツ全土から首都に集結する参加者たちは、世論を喚起し、政府に圧力をかけることを目指しています。
この時期に大規模なデモ行進が計画されたのは、アフガン駐留延長の可否について連邦議会(下院)での採決を今秋に控え、反対世論を高めるためです。
ドイツは現在、北大西洋条約機構(NATO)が主導するアフガニスタン国際治安支援部隊(ISAF)の一員として兵士約三千人を北部に駐留させ、多目的軍用機トーネード六機を南部に展開。米国主導の「不朽の自由作戦」(OEF)にも特殊部隊兵士百人を投入しています。
ドイツでは、ISAFとトーネード派遣は十月十三日に、OEF参加は十一月半ばに期限切れを迎えます。
デモ行進の主催者は呼びかけの中で、テロとのたたかい、アフガンの民主化と復興という軍事行動の目標は達成されておらず、逆に状況の悪化を招いていると指摘。「われわれは、経済的、戦略地政学的な利害を軍事を通じて確保しようとする政治を拒否する。これでは平和は訪れない」と主張しています。
さらに、軍縮、紛争解決、外交交渉こそが、深刻な問題を解決する道だと強調。「アフガニスタンに必要なのは、主権を有した民主主義を条件とする平和だ」とし、平和への一歩を踏み出すには、ドイツ軍の撤退が必要だと述べています。
連邦議会に五十三議席を持つ左翼党の幹部会は七月初め、デモ行進への協力と参加を決定。全国で党員や支持者の動員を進めています。同党は、ドイツ軍のアフガニスタンからの即時撤退を要求しています。
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