2007年9月1日(土)「しんぶん赤旗」

イラク情勢厳しい評価

政府監査院の報告草案

米紙報道


 【ワシントン=鎌塚由美】米紙ワシントン・ポストは三十日、議会付属機関の政府監査院(GAO)が九月四日に議会に報告するイラク情勢報告書の草案は、米議会が設定した政治、治安、経済などの十八分野のうち三分野しか達成されていないとの厳しい評価を下していると報道しました。

 ホワイトハウスが七月に発表したイラク情勢の中間報告は、八分野で達成としており、実際よりあまく評価されていた可能性が指摘されています。

 報告草案を同紙に提供した人物は、最終版では「表現を和らげる」と政府高官から伝えられたと述べています。ホワイトハウス中間報告より「さらに悲観的」な報告となっているからだといいます。同紙は、二十三日に発表された情報機関による「国家情報評価」(NIE)でも表現が和らげられたことを、複数の政府高官が指摘していると伝えました。

 国防総省のモレル報道官は三十日、GAO報告草案を修正するための「情報を提供」したとし、「訂正」を求めていることを明らかにしました。

 ホワイトハウスのスノー報道官は同日、「多くの基準が達成されていないことは秘密ではない」と語り、メディアが取り立てて報じることをけん制。ホワイトハウス中間報告では、イラク情勢で「前進を遂げているか」に力点が置かれたと説明し、GAO報告草案の基準は「基準が完全に満たされたかどうかというかなり高い基準だ」と述べました。



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