2007年9月2日(日)「しんぶん赤旗」
厚生年金基金の脱退者
住所、2割が不明
厚生年金基金を短期間で脱退した会社員らの記録を管理し、年金を給付している民間団体「企業年金連合会」が二○○六年度に郵送した受給申請書(裁定請求書)のうち、約二割があて先不明で同連合会に返送されていたことが八月三十一日、政府が閣議決定した答弁書で分かりました。国民年金と厚生年金に加えて、厚生年金基金でも支給漏れが生じているとみられ、今後国会などで論議を呼びそうです。
答弁書は長妻昭衆院議員(民主)の質問主意書に対するもの。質問主意書は「住所リストの整備が不十分で、(裁定請求書が)あて先不明で17%程度が返却されると聞く」とただしていました。
連合会は、会社員が厚生年金基金を脱退したり、基金が解散したりしたため移管された記録を管理し、基金を運用。本人からの請求に基づき、年金を支給しています。基金脱退に伴う記録は加入期間十五年未満のもので○六年度末で約二千六百二十一万件、基金解散に伴う記録は○五年度末で約二百二十三万件を管理しています。
答弁書によると、連合会は六十歳になる直前などに本人に裁定請求書を郵送していますが、○六年度に郵送したうち約19%が返送されたといいます。
厚生年金基金 厚生年金の老齢給付の一部分を国に代わって運営し支給する企業年金の一つ。基礎年金(国民年金)、厚生年金の上に設ける三階部分といわれます。各基金ごとに独自の支給を加えることを条件に厚生労働相の認可を受けています。
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