2007年9月2日(日)「しんぶん赤旗」
先進国、最大40%削減を
温暖化ガスで基本合意
「京都議定書後」の準備会合
ウィーンで開催されていた「京都議定書後」の枠組み作りのための準備会合は三十一日、先進工業国が二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出量を二〇二〇年までに一九九〇年比で25―40%削減することが必要との認識で一致しました。
二十七日からの会合には百五十カ国以上から政府代表、国際組織、非政府組織(NGO)などの代表約千人が参加。気候変動枠組み条約(UNFCC)のデ・ブア事務局長は、今回の合意が十二月にインドネシア・バリで開かれる「国連気候変動枠組み条約第十三回締約国会議(COP13)への基礎の第一歩になる」と強調しました。
ロイター通信によると、合意文書では欧州連合(EU)代表や太平洋諸島諸国代表が先進工業国の温暖化ガス削減25―40%目標を「指針とする」案を提案しましたが、日本、カナダ、スイス、ニュージーランド、ロシアの代表が「削減目標に拘束される」と反対。最終的には、「25―40%の削減はさらなる意欲的な排出量削減への有益な最初の指標を提供する」という拘束力のない表現に落ち着きました。
デ・ブア事務局長は「発展途上国でも温室効果ガス排出量削減で経費に見合う効果的な多くの機会があるし、先進工業国はさらに積極的な排出量削減戦略が必要だ」と語りました。
EU代表はロイター通信に「われわれはもっと大きな前進を求めた。25―40%削減は(到達点でなく)出発点とみられるべきだ」と述べました。(片岡正明)
京都議定書と気候変動枠組条約 京都議定書は地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)、メタンなどの温室効果ガスを先進工業国が二〇〇八年から一二年までに少なくとも一九九〇年比で5%削減することを一九九七年に京都で決めた条約。〇五年に発効。一三年以降のいわゆる「ポスト京都議定書」が問題になっています。気候変動枠組み条約(UNFCC)は大気中の温室効果ガス濃度を気候システムに対して危険でない水準で安定化させることを目的とし、九四年に発効。京都議定書もUNFCCの第三回締約国会議(COP3)で論議、採択されました。
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