2007年9月3日(月)「しんぶん赤旗」
地震そのとき原子力空母は
横須賀 母港化の危険指摘
住民投票の会がシンポ
神奈川県横須賀市の「原子力空母母港化の是非を問う住民投票を成功させる会」は二日、同市内でシンポジウムを開きました。各分野の専門家が、現在行われている同空母の配備のための横須賀港の浚渫(しゅんせつ)工事の環境への影響や、大地震が起きた際の同空母の危険性などについて指摘しました。
横須賀基地内・周辺の海で魚類実態調査を行う県保険医協会公害環境対策部長で医師の野本哲夫氏は、背骨が折れ曲がったハゼなどが多数発見されていることを報告し、「原因は横須賀基地の有害物質で汚染された海底土壌にある。浚渫工事でより深刻な環境汚染を引き起こすのは明らか、工事は中止すべきだ」とのべました。
三浦半島活断層調査会顧問の蟹江康光氏は、ビデオ報告で同市を含む三浦半島での「直下型大地震の発生率は極めて高い」と指摘。
大地震が起きて津波発生前の引き潮による原子力空母の座礁や、原子炉を冷却・管理するための海水や電力を供給できなくなる事態についての質問にたいして、元原発機器設計技術者の岡本旦夫氏は「原子力空母は日本の耐震評価を受けていない。大きな影響があるだろう」と発言。日本大学歯学部講師・放射能防護学者の野口邦和氏は「艦内電力による他の冷却機能がどれくらい機能するのだろうか。とても一言で安全だとは言えない」などと解説しました。
同シンポには二百五十人の市民らが参加しました。
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