2007年9月4日(火)「しんぶん赤旗」
核無能力化
「年内に可能」と金次官
北朝鮮外務省 「テロ支援国解除」に言及
ジュネーブからの報道によると、北朝鮮核問題をめぐる六カ国協議の米朝国交正常化作業部会に出席した北朝鮮の金桂冠外務次官は三日、同国の核施設の無能力化について「年内に可能だろう」との見通しを示しました。
ヒル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は二日、北朝鮮が核計画の申告や核施設の無能力化の年内履行について同意したと発表していましたが、北朝鮮側がこれを認めたのは初めてです。
金次官は「作業部会の結果に満足している」とのべましたが、対米関係の改善には「時間がかかる」との見方も示しました。
一方、ソウルからの報道によると、北朝鮮外務省スポークスマンは三日、作業部会での協議に関し、北朝鮮が年内に既存の核施設を「無能力化」することにともない、「米国がテロ支援国リストから北朝鮮をはずすことや、対敵国通商法に基づく北朝鮮への制裁を全面解除することなどの政治的経済的な代償措置をとることを決めた」とのべました。朝鮮中央通信が伝えました。「テロ支援国」指定の解除は、北朝鮮側が強く求めてきたものです。
しかし、ヒル国務次官補は、作業部会後も、「テロ支援国」指定解除問題について具体的な言及はしていません。
北朝鮮外務省スポークスマンは「今後の六カ国協議全体会合で進展を遂げる基礎ができた」とものべました。しかし、核計画の申告問題には触れていません。
「テロ支援国」指定解除については、今年二月に採択された共同文書で、「初期段階」措置と並行して、米国が北朝鮮への「テロ支援国」指定を解除する作業を開始することが盛り込まれていました。
ヒル次官補は、今月中旬にも開かれる次回の六カ国協議全体会合で、二月の共同文書を踏まえた「次の段階」についても文書化する意向を強調していました。
米国指定の「テロ支援国」 「国際テロ組織」に資金や武器を供与しているなどとして、米国務省が毎年、テロ活動に関する年次報告書で指定している国。今年四月三十日に発表された二〇〇六年版報告書では、北朝鮮、キューバ、イラン、スーダン、シリアの五カ国が引き続き指定されました。しかし、北朝鮮については、〇五年版と比べ、記述が半減し、米国が北朝鮮の「テロ支援国家指定を解除する作業を開始する」とした〇七年二月の六カ国協議「共同文書」の記述も明記されています。
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