2007年9月7日(金)「しんぶん赤旗」
中小企業の被災者
医療費減免
中越沖地震
災対連・共産党など要求
新潟県中越沖地震被災者で中小企業で働く人と家族などが加入する政府管掌健康保険、船員保険の加入者を対象に、社会保険庁が医療費の自己負担分を一定期間減免する措置をとり、被災者に喜ばれています。新潟県災対連や全国保険医団体連合会(保団連)が要求。日本共産党の志位和夫委員長が「被災者支援のための緊急対策」として実施を求めていたものです。
柏崎社会保険事務所によると、六日までの申請は十件。「問い合わせが多数あり、八月三十日に決まったばかりで広報していきたい」(同事務所)と話しています。
建物全壊の被災者は全額、大規模半壊か半壊の場合は半額が免除となります。対象地域は柏崎市、長岡市、出雲崎町、刈羽村で、減免期間は、地震が発生した七月十六日から十二月三十一日まで。
対象者は、社会保険事務所に市町村から交付された罹災(りさい)証明を添付した書類を提出し、「一部負担金等減免・免除証明書」の交付を受けることが必要になります。証明書交付以前に支払った自己負担分についても、還付請求書を社会保険事務所に提出すれば還付金を受け取れます。地震災害被災者の医療費減免措置は阪神・淡路大震災でもおこなわれました。
自営業者らが加入する国民健康保険も、柏崎市など四市町村が減免を実施しています。
新潟県災対連は七月三十日、政管健保の一部負担金の減免の早期実施などを申し入れました。
全国保険医団体連合会(保団連)も八月九日、政府管掌健康保険の被保険者、被扶養者にたいする医療費窓口負担の軽減策や保険料の軽減を実施するよう厚生労働省に要請していました。
一歩前進 周知が課題
大津勉新潟県災対連事務局長の話 中小業者の労働者・家族らの被災者支援にとって、医療費が減免されることは一歩前進です。新潟県の災害でいままで実現してこなかったことだったので、うれしく思っています。被災地ではまだ医療費が減免されることが広く知られていないのと、社会保険事務所にり災証明をつけて申請する必要があるので、どのように周知していくのかが課題です。
新潟県中越沖地震では、柏崎市で約千二百件のり災証明が発行されていますが、このうち約四百件で被災者が「実態にあわない」などと再審査を求めています。これまでに外からの目視だけで一部損壊と判定されたのが、再調査で半壊や大規模半壊に修正されているケースもでています。一部損壊では減免の対象にはなりません。医療費減免にもかかわるので、り災証明の問題も解決してほしい。
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