2007年9月8日(土)「しんぶん赤旗」

共産主義は民主主義と対立するの?


 〈問い〉 選挙中、有権者との対話で、「共産党がめざすのは共産主義でしょ。共産主義は民主主義と対立するのではないか」といわれました。そうではないと思うのですが、うまく説明できませんでした。共産主義と民主主義は矛盾するのですか?(北海道・一読者)

 〈答え〉 日本共産党は、資本主義の枠のなかでの民主的改革の実現をめざすとともに、さらに将来の展望として、資本主義の矛盾を乗り越えた社会への前進が課題となると考えています。それは、民主的改革によって今の国民の苦しみの根源となっているアメリカ言いなり・大企業奉仕の政治が解決した後でも、企業のもうけを目的に経済活動がおこなわれる資本主義のしくみそのものから起こる弊害はなくならないからです。

 日本共産党の綱領は、「社会主義・共産主義の日本では、民主主義と自由の成果をはじめ、資本主義時代の価値ある成果のすべてが、受けつがれ、いっそう発展させられる」と述べています。同時に、人間が利潤追求の道具になる資本主義経済の弊害を解決して、「『国民が主人公』という民主主義の理念は、政治・経済・文化・社会の全体にわたって、社会的な現実となる」のです。その際、「『社会主義』の名のもとに、特定の政党に『指導』政党としての特権を与えたり、特定の世界観を『国定の哲学』と意義づけたりすることは、日本における社会主義の道とは無縁」であることも明記されています。

 旧ソ連について言えば、レーニンの死後、スターリンによって科学的社会主義の原則が投げ捨てられ、民主主義のない人権抑圧の国づくりがおこなわれました。その結果、ソ連は、経済的な面でも社会主義・共産主義とは縁もゆかりもない国家統制の体制として崩壊しました。将来の日本の社会主義社会は、このようなソ連流の体制とはまったく違うものです。

 マルクスが創設した科学的社会主義(共産主義)の運動は、民主主義と矛盾するどころか、民主主義を徹底して守り発展させる立場に立つものです。戦前の日本共産党が、命がけで「主権在民」の旗を掲げたのも、そのあらわれです。(石)

 〔2007・9・8(土)〕


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