2007年9月9日(日)「しんぶん赤旗」
イラク撤退を
シドニーで抗議デモ
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【シドニー=山崎伸治】アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開幕した八日午前、シドニー市内で米国のイラク戦争に反対する市民らの集会とデモが行われ、主催者発表で一万人を超える人たちが参加しました。
シドニーの反戦団体や平和団体などで組織する「ストップ・ブッシュ連合」が呼びかけ、三カ月以上にわたって準備したもの。中心部にある市庁舎前は、「ブッシュ(米大統領)とハワード(オーストラリア首相)、悪の枢軸」「ブッシュは帰れ」など、手作りのプラカードや横断幕を掲げた人たちであふれかえりました。
デモ行進出発前の集会では、地元の活動家のほか、米国から駆けつけた反戦イラク帰還兵の会(IVAW)のマット・ハワードさんがあいさつ。二〇〇三年三月のイラク開戦時、米海兵隊員として戦争に参加したハワードさんは、「戦争を終わらせることができるのは政治家ではなく、一般の国民です。私は米国で戦争に反対する帰還兵を組織します。みなさんはハワード首相を辞めさせてください」と訴えて、大きな拍手と声援を受けました。
デモ行進は当初、市内中心部約一・五キロのコースで予定されていましたが、警備上の問題を訴える警察の意向を受け、シドニーのあるニューサウスウェールズ州の最高裁が直前になってコースの変更を命令。主催者は集会を妨害するものと抗議しましたが、約三百メートルに短縮して実施しました。時おり小雨の降る中、「ジョージ・ブッシュはお断り」と声を上げながら行進しました。
地元シドニーに住むジュディ・ピアソンさん(56)は、「イラクのことはイラク国民に任せて、米国もオーストラリアも軍を撤退させるべきです。そのことを訴えるためにデモに参加しました」と語っていました。
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