2007年9月13日(木)「しんぶん赤旗」

安倍首相が辞任表明

突然の政権投げ出し


 安倍晋三首相は十二日、首相官邸で緊急に記者会見し、「テロとのたたかいを継続させるうえで局面を転換しなければならない」とのべ、辞意を表明しました。十日に国会で所信表明演説をし、首相続投の決意をのべたばかりです。国会での代表質問当日の突然の辞任表明は前代未聞で、日本共産党はじめ野党はいっせいにその無責任ぶりを批判。与党内にも衝撃が走りました。


 昨年九月に就任した安倍首相は、十一カ月余で政権を投げ出し、後継首相選びのため、大きな政治空白を生むことになりました。十二日以降に予定されていた衆参両院の各党代表質問が取りやめになるなど、国会はストップします。

 安倍首相は午後二時から開いた会見で、「自らがけじめをつけることによって、局面を打開しなければならないと判断するにいたった」とのべ、十一月一日に期限が切れるテロ特措法の延長によるインド洋での海上自衛隊の活動継続が困難になっていることが辞任の理由だと説明。民主党の小沢一郎代表に党首会談を拒否されたことも辞任を決意するポイントだったとのべました。

 与謝野馨官房長官は会見で、首相の健康状態の悪化も辞任の要因の一つにあげました。

 安倍首相は就任以来、「構造改革」の継続と、憲法改悪を柱とする「戦後レジームからの脱却」を掲げ、改憲手続き法や、教育基本法改悪などを強行。貧困と格差の広がりに何の打開策も打たず、大企業中心の「成長戦略」に固執しました。その基本路線への国民の厳しい批判を受けて、今年七月の参院選挙で与野党逆転となる大敗を喫しました。

 「基本路線は理解されている」として民意にそむいて続投を表明し、八月末に内閣改造したばかりでした。

 安倍内閣では、「政治とカネ」の問題や、失言・暴言で閣僚の辞任が相次ぎ、改造後もふくめ五人が辞任し、政権運営は行き詰まっていました。


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