2007年9月16日(日)「しんぶん赤旗」
自民総裁選
福田・麻生氏が立候補
「構造改革」・派兵に固執
安倍晋三首相の辞任表明に伴う自民党総裁選は十五日、党本部で立候補受け付けが行われ、福田康夫元官房長官、麻生太郎幹事長の両氏が届け出ました。同日の共同記者会見などを通じて、参院選で国民が審判を下した貧困と格差を広げた「構造改革」路線にしがみつき、インド洋への自衛隊派兵の継続にも固執する両氏の立場が明確になりました。
共同記者会見で、福田氏は、「(『小泉改革』は)大変大きな成果を上げた」「方向性は変わらない」との認識を示しました。麻生氏は、「影の部分に対して何らかの手当てが必要だ」としつつも、大企業優先の「経済成長路線をとれるような構造改革の継続」を強調しました。
インド洋への海上自衛隊派兵を継続するためのテロ特措法の延長問題について、麻生氏は、米軍などへの給油活動に「参加をし、責任を果たしていく義務がある」と強調。十四日に給油は「対外公約」との認識を示した福田氏も「ぜひご理解をたまわらなければいけない」と述べました。
また、一円以上の支出への領収書添付などが課題になっている政治資金規正法の改正について、福田氏は「すべてを公開することが妥当かどうか。疑問に思っている」ときわめて消極的な姿勢を示しました。
福田氏はこれに先立つ出馬表明の記者会見で、靖国神社の参拝について「相手(国)が嫌がることをあえてする必要はない」と発言。憲法改定については「党是だから方針は変わらないが、国会の同意が必要だ」と述べました。
総裁選は、同党国会議員三百八十七票、各都道府県連に三票が割り当てられた地方票百四十一票の計五百二十八票で争われます。麻生派を除く八派閥が福田氏を支持しており、国会議員票では福田氏が優位に立っています。
両氏、消費税上げ視野に
自民党総裁選に立候補した福田康夫元官房長官は十五日の記者会見で、二○○九年度の基礎年金国庫負担率引き上げに伴う財源に関し「行政経費節減など工夫をするが、その額に及ばない場合は何らかの方法を考えるしかない。消費税(引き上げ)を含めた手段を考える必要がある」と述べ、消費税率見直しを検討する考えを示しました。
一方、麻生太郎幹事長も、「福祉目的税みたいな形での値上げをしてもやむをえない」と述べました。
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