2007年9月17日(月)「しんぶん赤旗」

イラクから兵士帰せ

帰還兵先頭 数千人デモ

ワシントン


 【ワシントン=鎌塚由美】「イラクはイラクの人々のものだ。今すぐ兵士を帰せ」―ホワイトハウスと米連邦議会を結ぶペンシルベニア大通りに、反戦の訴えが響きました。十五日、全国各地からの参加者が約二キロの道のりを行進。先頭に立ったイラク帰還兵たちは、米軍のイラク占領を糾弾しました。


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(写真)イラクからの米軍の即時撤退を求める各地からの参加者=15日、ワシントン(鎌塚由美撮影)

 反戦デモは、反戦団体「ANSWER(戦争阻止と人種差別停止を今こそ)」の呼びかけによるもので、数千人が参加。「イラク反戦帰還兵の会」(IVAW)のメンバーは、逆さまにした星条旗、イラク占領で利益をむさぼる米国企業を表す旗を掲げて、ブッシュ政権による違法なイラク戦争と占領の実態に抗議しました。戦死した兵士の家族も「平和のための退役軍人会」(VFP)のメンバーとともに先頭の隊列に加わりました。

 ミネソタ州在住のジェニファー・ユモラックさん(40)は、「キャプテン・デモクラシー(民主主義の大佐)」と名づけた衣装で参加。「私たち国民は、街頭に出て反戦世論を目に見えるものにしなくてはいけません。戦争反対と表明することこそ、真の愛国者です。すべての部隊が帰還するまで、行動を続けます」と語っていました。

 行進前にホワイトハウス前で行われた集会で参加者は、舞台からの訴えに「ブッシュを弾劾しろ」とこたえました。

 IVAWのガレット・レッペンハーゲン会長は、ペトレアス現地司令官が議会証言で、イラクの治安が改善しているなどと述べたことについて、バグダッドに駐留するメンバーの反論を紹介。「われわれは治安安定をもたらしていない。イラクの人々は、米軍の占領なしで、自分たちの問題を解決したがっている」との兵士の言葉を代読しました。

 息子が戦死して以来反戦活動を続けてきたシンディ・シーハンさんは、「議会に、私たち国民を代表していることを知らしめよう。大企業や利益のために私たちの子どもたちを殺す軍事機構を代表しているのではない」と強調しました。

 市民運動指導者のラルフ・ネーダー氏は、デモ参加者たちは今「米国民の大多数を代表している」と指摘。反戦世論が中間選挙で民主党を多数派に押し上げた今、「予算承認をコントロールする民主党は戦争をやめさせることができるようになった」と述べ、「地元に戻って、議員たちへいっそうの圧力をかけよう」と呼びかけました。



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