2007年9月18日(火)「しんぶん赤旗」
九州ネットワーク設立
生活保護利用しやすく
憲法二五条の生存権を保障する生活保護の適切な運用実現を願って、九州・沖縄の弁護士ら専門家がサポートする「生活保護支援九州ネットワーク」の設立総会が十七日、北九州市内で開かれました。北九州弁護士会館で開かれた設立記念集会には、九州各地から約八十人が集まりました。
生活保護の利用についての相談=097(534)7260=を十八日から受け付け、九州・沖縄各地の専門家につなぎます。支援に加わる弁護士や司法書士らは九十人。初回相談料は、相談者の負担になりません。
専門家による生活保護の支援ネットは、「首都圏」に続くもの。
総会に先立つ設立記者会見で、事務局長の高木佳世子弁護士は、九州・沖縄での支援ネット立ち上げについて「生活保護にからんだ餓死事件をはじめ、生活保護を受けたくても受けられない現実をもう放置できないという思いが一つ。九州は、多重債務で自己破産した人たちが多い。生活の苦しさが根っこにあり、生活の立ち直りを手助けしたい」と話しました。
貧困と格差是正が社会的課題になるなか、生活保護は、生活に困窮しただれもが利用しやすい制度にしたい、というのも支援立ち上げの願いです。保護受給者は日本全体で約百五十万人で、本来生活保護を受けなければならない人は、その四倍、五倍いるといわれています。
副代表の平田広志弁護士は、生活保護の捕捉率の低さを示したうえで「九州・沖縄は、経済的基盤がぜい弱な地域で、収入が少なくて貧しい人が多い。受給率が高いのはそのためで、トラブルも絶えない。なんとしてもその人たちの力になりたい」と語りました。
設立記念集会では、首都圏生活保護支援法律家ネットの猪股正代表が、活動を報告。新聞などを購読できない貧困層への広報活動の工夫などの課題と、相談聞き取り表の統一化など連携した取り組みの重要性を語りました。
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