2007年9月19日(水)「しんぶん赤旗」

介護労働 無法なくせ

労組、東京労働局に要望


 東京介護福祉労働組合(東京介護労、入野豊中央執行委員長)は十八日、介護保険事業所での介護労働者へのずさんな雇用管理や、労働契約さえ結ばれていない実態を是正するため、東京労働局労働基準部のよりいっそうの監査・指導を求めて村木太郎東京労働局長に要望しました。

 要望書は(1)都から介護保険法違反で処分を受けたコムスン、ニチイ学館、ジャパンケアサービスへの監査・指導の実施(2)都内の介護保険事業所が労働基準法や厚生労働省通知「訪問介護労働者の法定労働条件の確保について」を順守するよう、都と連携して研修を実施すること―の二項目を求めています。

 多摩地域の特養ホームで働く二十代の男性は「事業者が、三年勤務で正規雇用を義務付けている派遣労働法を嫌がり、その時分になると急に職員がやめていくので人手が不足し困っている」と現場の実態を告発。「ガソリン代を出さない」「タイムカードがなくなっている」など、介護労働者に負担を強いる仕組みが詳細に報告されました。

 また、ヘルパーが腰痛を訴えているのに、事業者がその声をつぶし、やむなく休業に追い込まれ、ヘルパーでなくなる例などを紹介。労働安全衛生法や労働基準法の存在自体を知らない事業者が多く、労働局として集団指導やセミナーの実施など啓蒙(けいもう)活動を強めるよう求めました。

 この問題では池袋、八王子の労働基準監督署ですでに時間をとった研修を行っており、「労基署の果たす役割は大きい」と労働局、組合双方の意見が一致しました。

 コムスン処分の問題では東京労働局は「しかるべく検討したい」と述べました。



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