2007年9月20日(木)「しんぶん赤旗」

アフガン部隊任期延長へ

安保理に決議案を提出


 イタリアは米時間十八日、アフガニスタンに展開される国際治安支援部隊(ISAF)の任期を今年十月から一年間延長する決議案を国連安全保障理事会に提出しました。決議案には、日本政府の働きかけもあり、海上自衛隊が参加する「不朽の自由作戦」(OEF)の海上阻止活動への「謝意」が前文に盛り込まれています。決議案は現地時間十九日(日本時間二十日)にも採択される見通しです。

 海自は、テロ特措法に基づき、米軍主導のOEFの海上阻止活動への協力として、インド洋で米艦船などに給油活動を続けています。民主党は、テロ特措法に反対する理由の一つとして、海自の活動が「国連決議に基づいていない」ことを挙げています。そこで政府は、安保理決議が何らかの形で海上阻止活動に言及することで、この活動が安保理の承認を受けているかのような印象を与えようとし、関係国に働きかけてきました。

 案文は、合意事項を列挙する本文の前につける前文部分で、「ISAFと海上阻止部門を含む『不朽の自由』連合への各国の貢献に謝意を表明する」「『不朽の自由』連合を含む継続的な国際的取り組みの必要性を強調する」と述べています。海自の給油活動への直接の言及はありません。

 この決議案について高村正彦防衛相は十九日、「それ(新たな決議)があれば(テロ特措法に対する民主党の)一番大きな反対理由はなくなるのではないか」と記者団に語りました。一方で民主党の鳩山由紀夫幹事長は、「取って付けたように事後的に安保理決議ができたとしても順序が逆だ。(新決議採択によって民主党が)結論を大きく変えることにはならない」と述べました。

 ISAFは、タリバン政権崩壊後の治安確保のため二〇〇一年十二月採択の安保理決議一三八六に基づき設置されましたが、タリバン政権打倒をめざす米軍主導のOEFは、それを直接承認する安保理決議なしに、同年十月に開始されました。



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