2007年9月24日(月)「しんぶん赤旗」
温暖化防げ 首脳そろう
きょう国連気候変動会合
154カ国参加
「強い政治的意思つくる機会」
【ワシントン=鎌塚由美】世界の八十カ国以上の首脳が参加する気候変動問題でのハイレベル会合が二十四日、ニューヨークの国連本部で開かれます。温室効果ガス削減を義務付けた京都議定書後の枠組みの交渉開始が年内に期待されるなか、「強い政治的意思形成の機会」(潘基文国連事務総長)と位置づけられています。
会合には、百五十四カ国が参加。フランスのサルコジ大統領、ドイツのメルケル首相、ブラジルのルラ大統領ら八十カ国以上の首脳が出席の予定です。
温暖化対策をめぐっては、欧州、米国、日本、中国やインドなどの間で違いがありますが、先進国、途上国を含む主要当事者すべてが閣僚級以上で顔を合わせる今年初めての場となります。
これらの国が加入する国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)に基づいて、十二月にはインドネシアのバリで第十三回締約国会議(COP13)が開催されます。同会議では、京都議定書後の枠組みの交渉開始が期待されています。国連は、今回のハイレベル会合をその弾みにしたい考え。潘事務総長が、京都議定書後の枠組み構築の必要性などを訴える議長総括を発表する予定です。
開会会合では、シュワルツェネッガー・カリフォルニア州知事らが演説するほか、温暖化の緩和策や環境関連技術の普及など、四テーマに沿って各国代表が議論します。
日本からは森喜朗元首相が出席の予定。ゴア前米副大統領も関連イベントに出席します。
米国のブッシュ大統領は閉幕後の夕食会には参加の予定。米国は、二十七日からワシントンで、温室効果ガスの主要排出国を集めての会合を開きます。
ブッシュ政権は、二〇〇一年に京都議定書を離脱し、国連の枠組みでの温暖化対策に背を向けてきました。国内世論や米産業界からも温暖化対策を求める声があがり、六月の主要国首脳会議(ハイリゲンダム・サミット)では、一三年以降の取り決めを国連の枠組みで行うことには合意しましたが、具体的な削減目標を合意文書に盛り込むことは妨害しました。
国連気候変動枠組み条約(UNFCCC) 地球温暖化による気候変動をもたらす二酸化炭素などの排出を抑制することを決めた条約。一九九四年発効。百九十一カ国が批准。同条約に基づき九七年、先進国に削減義務を課す京都議定書(二〇一二年までに九〇年比で5%削減)が調印。温室効果ガス最大の排出国・米国は京都議定書からは離脱しましたが、〇五年に発効しています。
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