2007年9月26日(水)「しんぶん赤旗」

首相指名

参院は民主・小沢氏

両院協で井上議員 「直近の民意尊重を」


 安倍内閣が総辞職した二十五日、衆参の本会議が開かれ、首相指名選挙を行いました。七月の参院選による国民の審判を受け与野党が逆転した参院では、決選投票で民主党の小沢一郎代表が指名されました。

 同日午後の衆院本会議では、自民、公明両党の多数で自民党総裁の福田康夫氏が首相に指名されました。

 次いで開かれた参院本会議では、第一回の投票で、どの候補も過半数を獲得できませんでした。日本共産党議員団は志位和夫委員長に投票しました。

 投票の過半数を得た者がないときは、投票の最多数を得た者二人について決選投票を行うと定めた参議院規則に基づき、参院本会議は決選投票を行いました。日本共産党は民主党、社民党、国民新党とともに民主党の小沢一郎代表に投票しました。衆院では投票総数四百七十七票のうち三百三十八票を獲得した福田氏は、参院では百六票(投票総数二百三十九票)にとどまり、百三十三票を集めた小沢氏が首相に指名されました。

 両院の議決が異なったため、憲法六七条に基づき両院協議会が開催されました。日本共産党からは井上哲士議員が参院協議委員として出席し、七月の参院選で自民・公明政治の基本路線に対し「ノー」の審判が示されたことを強調。そのうえで参院の決選投票で反自公の立場の意思表明として小沢氏に投票したことを述べ、安倍首相の政権投げ出しに伴う今回の首相指名においては、「参院選で示された直近の民意を尊重することこそ求められている」と主張しました。

 両院協議会では結局、合意にいたらず、憲法の規定に基づき衆院の議決を優先し、福田氏が首相に指名されました。


 衆・参で首相指名の議決が異なった例 現行憲法の下で、首相指名選挙における衆院と参院の議決が異なった例は三回あります。一九四八年に、衆=吉田茂(自由党)、参=芦田均(民主党)、八九年に、衆=海部俊樹(自民党)、参=土井たか子(社会党)、九八年に、衆=小渕恵三(自民党)、参=菅直人(民主党)の両議員をそれぞれ首相に指名しました。いずれも両院協議会で協議しましたが意見が一致せず、憲法第六七条二項の規定により、衆院の議決が国会の議決となりました。


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