2007年10月3日(水)「しんぶん赤旗」
海自給油 8割は米艦船
防衛省作成資料で判明
海上自衛隊がインド洋でテロ特措法に基づいて給油した艦船用燃料のうち、約八割は米艦船に提供されていることが二日までに分かりました。政府・与党はインド洋での給油活動を「国際貢献」だと主張していますが、実態は米国の軍事活動への支援そのものであることが、いっそう明白になりました。
防衛省が作成した資料によると、二〇〇一年十二月から今年八月三十日までに海自補給艦が提供した艦船用燃料の合計は四十八万四千キロリットルで、このうち79・5%にあたる三十八万五千キロリットルが米艦船向けとなっています。
また金額では合計二百二十億円のうち74%にあたる百六十二億円を占めています。
防衛省が九月二十八日に公表した別の資料によると、海自が提供した艦船用燃料のうち49%にあたる二十三万七千キロリットルが、〇一年十二月から〇三年三月の間に米英の補給艦に給油されています。
この時期はアフガニスタンでの「対テロ」報復戦争とイラク戦争開始が重なり、米艦船の活動がもっとも活発な時期でした。海自が提供した燃料が米補給艦を通じてイラク戦争に参加した米空母などに給油されたことも明らかになっています。
一方、政府は、給油が「対米支援ではない」理由として、過去一年間でパキスタン艦船への給油が増えていることを挙げています。実際、給油回数では米艦船に次いでいますが、パキスタンは小型の艦船一隻のみのため、給油量は全体の4%にあたる一万九千キロリットルにすぎません。
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