2007年10月5日(金)「しんぶん赤旗」
正面から答えていない
志位委員長、首相答弁に感想
日本共産党の志位和夫委員長は四日、記者会見し、この日おこなった福田康夫首相にたいする代表質問への答弁についての感想を問われ、「どの問題でも正面から答えていない」とのべ、首相が正面から論戦する姿勢を持っていないと指摘しました。
志位氏は、沖縄戦での「集団自決」をめぐる教科書検定の問題は、軍の命令を削除させる検定意見を出した政府・文部科学省の責任であり、だからこそ首相に、政府の責任として検定意見の撤回を求めたと指摘。「県民の意思を重く受け止める」とのべるだけで、政府の責任に触れず、「軍の命令」についての首相自身の歴史認識についても答えがなかったとのべました。
また志位氏は、非正規雇用の規制や社会保障予算削減の見直しという一番核心の問題についても「労働法制では、今後検討していくというだけ。社会保障では予算の抑制をつづけていかざるを得ないという答弁で、まともな見識は返ってこなかった」とのべ、「従来の路線を転換する意思はないといわざるをえない」と振り返りました。
志位氏は、財源問題をめぐる大企業と大資産家減税についての質問では、首相が国際競争力や労働意欲向上のために必要だと答弁したことを示し、「大企業減税、大金持ち減税路線をさらに進めるということにほかならない」と強調。インド洋への自衛隊派兵継続問題でも、「戦争でテロはなくせないという事実認識については答えなかった」と指摘しました。