2007年10月6日(土)「しんぶん赤旗」
自衛隊国民監視を提訴
全国で初 “国家的な不法行為”
仙台地裁
自衛隊の国民監視活動は憲法違反として監視と情報収集の中止を求めて仙台市内の市民が五日、仙台地裁に提訴しました。日本共産党が六月に自衛隊の内部文書を公表して以来、監視活動の違法性を問う裁判は全国で初めてです。
原告は写真家の後藤東陽、宮城学院大学元学長の山形孝夫、仙台YWCA前会長の戸枝慶、小野寺義象弁護士の四氏です。
陸上自衛隊東北方面情報保全隊が二〇〇四年一月から二月にかけて、仙台市内で開かれた自衛隊イラク派兵反対の集会やデモを監視したことが明らかになっています。
集会やデモを主催した団体の代表である後藤氏ら原告の三人は現在、自衛隊イラク派兵差し止めを求める訴訟の原告団です。仙台高裁で係争中の裁判で監視活動への異議を述べた際に「裁判の趣旨から外れる」とされ、改めて別の訴訟として提訴しました。
記者会見で吉岡和弘弁護士は「監視活動はプライバシー権や肖像権、思想・良心の自由に対する国家的不法行為だ」と話しました。
後藤氏は「監視されていることは不愉快であり不安だ。私は戦時中憲兵に殴られ、腰を悪くした。あの恐ろしい時代を繰り返してはいけない」と提訴に踏み切った思いを語りました。
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