2007年10月9日(火)「しんぶん赤旗」
米軍入隊者
アフリカ系58%減
米紙が報道
イラク戦争が影響
【ワシントン=鎌塚由美】米紙ボストン・グローブ紙(七日付)は、二〇〇〇年以降、アフリカ系住民の米軍への入隊が大幅に減少していると報じました。黒人の入隊大幅減の背景には、イラク戦争やハリケーン「カトリーナ」でのブッシュ政権の対応の不人気が主な原因となっているといいます。
人口比に比べても多い入隊比率を示していたアフリカ系ですが、二〇〇〇年以降の入隊が58%減少しています。同紙は、「軍隊専門家、国防総省の調査、アフリカ系の若者へのインタビュー」でも、「不人気なイラク戦争が最大の原因」であることが明らかになっていると紹介。
イラク戦争が長期化するなか米軍は兵士勧誘で苦戦していますが、アフリカ系の減少は、白人(10%以上の減少)、ヒスパニック系(約7%の減少)にもましてダントツとなっています。
二十歳代のアフリカ系青年は同紙に対し「イラク戦争と、特に〇五年のハリケーン『カトリーナ』災害後のブッシュ政権の運営」を入隊しない理由にあげています。
世論調査では、アフリカ系の間での、イラク戦争とブッシュ政権への不人気は明確。イラク侵略は「間違いだ」との回答者(CBSテレビの世論調査)は、83%。ブッシュ大統領の支持率(ピュー・リサーチ・センター)は約9%(〇六年)となっています。「両親やスポーツコーチ」などの黒人のおとなたちが、若者に「入隊をあまり勧めない」ことが国防総省の調査でも明らかになっているといいます。
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