2007年10月10日(水)「しんぶん赤旗」

米印核協定

左翼4党が反対声明

与党と対立 強まる総選挙の観測


 【ニューデリー=豊田栄光】インド左翼四党は八日、米印核協定に反対する共同声明を発表し、与党との対立が激化しています。この対立は解散・総選挙につながるとの観測が強まり、中央選挙管理委員会は同日、各州の選管に来年一月十五日までに有権者名簿を整理するよう指示しました。

 左翼声明は「協定を擁護する者たちは、インドが元来、独立独行で核エネルギーを開発する能力を有していることを知るべきだ。米国の要求のもとに、われわれの死活的利益を譲り渡す必要はない」と述べています。

 今回の声明は、最大与党「国民会議派」のガンジー総裁が七日「協定に反対する者は、国民会議派だけでなく、国家の進歩と発展の敵である」と批判したことへの反論として発表されました。

 左翼側はガンジー総裁の「敵」発言を「国民会議派は解散・総選挙モードに入った」(インド共産党書記長)ものと受け止めています。

 左翼四党は二〇〇四年の総選挙後に誕生したシン政権を閣外から支持しており、撤回すれば同政権は過半数割れとなります。下院任期は五年で、解散がなければ〇九年に総選挙となります。

 核協定は、米国が核燃料ウランや原子炉を提供し、インドは軍事用を除く民生用核施設を国際原子力機関(IAEA)の査察下に置くと定めています。シン政権はIAEAとの査察協定締結へ向けた交渉に臨むとしていますが、左翼は核開発の主権が侵されるなどと反発しています。



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