2007年10月14日(日)「しんぶん赤旗」
米による軍幹部養成
ボリビアも撤退
中南米5カ国目
【ワシントン=山崎伸治】米国がジョージア州の陸軍基地フォート・ベニングで運営する中南米諸国の軍幹部養成機関「西半球安全保障協力研究所」(WHINSEC)に、ボリビアが今後、訓練生を派遣しないことを決めました。同国のモラレス大統領が九日、発表しました。
WHINSECは二〇〇一年一月に創設され、前身の「スクール・オブ・アメリカズ」(SOA)時代から六万人の軍幹部を訓練。「卒業生」は帰国後、各国軍部内で親米派を組織し、クーデター実行や軍事政権の下支えといった役割を果たしてきました。
これまでにベネズエラ、アルゼンチン、ウルグアイ、コスタリカが派遣中止を表明。ボリビアが五番目となります。
モラレス氏は声明で、「われわれは『スクール・オブ・アメリカズ』に通うボリビア軍幹部がいなくなるまで段階的に撤退する」と表明。「(米軍は)高級幹部に自分たち自身の国民と対決し、社会的な運動を自分たちの敵だと見なすよう教育している」と批判しました。
ボリビアでは一九七一年にクーデターで政権に就いたウゴ・バンセル元大統領がSOA出身でした。