2007年10月14日(日)「しんぶん赤旗」
ミサイル防衛
ロ参加の新構想
米側が提示 半年後に再協議
【ワシントン=山崎伸治】米国とロシアの外務・国防相協議(2プラス2)が十二日、モスクワで開かれました。米側が東欧に配備を計画するミサイル防衛(MD)で、ロシアとNATO(北大西洋条約機構)加盟国も参加する新たな構想を提示。ロシア側はこれを歓迎したものの、この日は合意に至らず、六カ月後にワシントンで同協議を開催することを確認しました。
終了後の記者会見でロシアのラブロフ外相は「米側の提案を検討する」と表明。ゲーツ米国防長官は「ロシア側が受け入れてくれることを期待する」と述べました。
一方、MDをめぐるチェコとポーランドとの交渉について、ロシア側が米側に凍結を求めたのに対し、ライス米国務長官は「米国は同盟諸国と議論、交渉を行っており、これは継続する」と拒否しました。
協議についての背景説明で米政府高官は、新たな提案を「共同地域MD防衛体系」と呼称。「ロシアと米国だけでなく、北大西洋条約機構(NATO)の同盟国もミサイルの脅威から守る」として、そのシステムの設計から運用までロシアを完全なパートナーとし、各施設には米ロ双方の「連絡要員」を置くことも盛り込んでいます。