2007年10月18日(木)「しんぶん赤旗」
米軍に常時監督義務
横須賀女性強殺裁判で弁護団
“兵士は動く凶器”
米空母キティホーク乗組員の米兵に二〇〇六年一月、神奈川県横須賀市内で殺害された佐藤好重さんの夫・山崎正則さんら遺族が損害賠償を求めている裁判(三木勇次裁判長)の第六回口頭弁論が十七日、横浜地裁で開かれました。
弁護団は、米兵犯罪にたいする米軍の監督責任について、「そもそも兵士は、職務時間外であっても有事が生じた場合、ただちに招集命令をかけられ、現地に赴く」ものであり、高度の規律性が要求されること、海兵隊員は休暇中も「休暇に関する命令文書」によって米軍上司によるコントロール下におかれていることなどをあげ、「職務時間外であっても米軍上司の監督義務が認められる」と述べました。
また、「基地で行われていることは、毎日いかにして人を殺すかというトレーニングが行われているということです」という元海兵隊員のアレン・ネルソン氏のことばを引用し、「米兵は、いわば“意識にもとづいて動く凶器”であり、米軍上司の部下の米兵にたいする監督義務は職務時間の内外を問わず、常に認められるべき」であり、空母キティホークでの洋上訓練後、上陸した米兵にたいし、いっそうの監督義務が要求されると論述しました。
次回の口頭弁論では、原告の山崎正則さんにたいする本人尋問がおこなわれます。
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