2007年10月20日(土)「しんぶん赤旗」
嘉手納の米兵降下訓練
日米合意に違反
赤嶺議員抗議
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日本共産党の赤嶺政賢議員は十九日の衆院安全保障委員会で、米空軍がパラシュート降下訓練を沖縄県の嘉手納基地で同日実施したことについて、「日米の合意すら守られない。これで『負担軽減』といえるのか」と厳しく批判しました。
同訓練は一九九六年のSACO(日米特別行動委員会)合意の最終報告で、沖縄県西方の伊江島補助飛行場に限定して実施されることが決まっています。
今回の訓練実施がSACO合意にも反すると強く抗議した赤嶺氏に対し、高村正彦外相は「嘉手納飛行場はあくまで例外的に使用されるもの」と述べる一方、「政府としては、米軍が訓練を通じて即応体制を維持する必要性は理解せざるをえない」などと、容認する態度を示しました。
赤嶺氏は「日本政府が理解を示したら、県民にとって負担の軽減にならない」と指摘。この間の降下訓練では、民間地にコンクリートの塊が落ち、米兵が降りる事故が繰り返されるなど、県民にとって極めて危険な訓練であるとして、その中止を強く求めました。
さらに赤嶺氏は、「住宅地上空を飛行しない」として、政府が名護市辺野古沖にV字形の滑走路をもつ新基地を建設しようとしていることについても、「守られるのか」と政府の認識をただしました。
これに対し、石破茂防衛相は「緊急時は(住宅地上空を飛ぶことも)ありうる」と答弁しました。赤嶺氏は「パラシュート降下訓練も、住宅地上空の飛行も、結局、米軍の運用しだいで破られることになる。これでは県民の合意は得られない」と述べ、県民無視の政府の姿勢を厳しく批判しました。
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