2007年10月22日(月)「しんぶん赤旗」

消費税増税に導く経財会議の試算

三つのからくり告発

TVで小池氏


 日本共産党の小池晃政策委員長は二十一日、フジテレビ系番組「報道2001」に出演し、経済財政諮問会議(議長・福田康夫首相)に提出された試算について、“消費税増税は仕方がない”と国民をだます「三つのからくりがある」と告発しました。

 試算は、十七日に提出されたもの。「歳出削減」や経済成長などを勘案し、二〇二五年度には最大で三十一兆円(消費税率では17%)もの増税が必要だとしています。

 小池氏が指摘した「からくり」の一つ目は、「歳出削減」といいながら、対象にしているのが社会保障費だけだということです。小池氏は「軍事費も公共事業費も、名目成長率(2―3%)で伸び続けるという計算になっている。この計算でいくと、二〇二五年には防衛費が八兆円を超えることになる。社会保障費のほかは一切、歳出見直しをしないというものだ」と批判しました。

 二つ目は、こうしてふくらませた増税分をすべて消費税でまかなう計算になっていることです。小池氏は「税は消費税だけではない。法人税、所得税、資産課税だってある」と告発し、能力に応じた負担を求めました。

 三つ目は、この試算が経済財政諮問会議の民間議員である日本経団連の御手洗冨士夫会長らが政府につくらせた数字だということです。

 小池氏は「消費税を20%まで増税し、法人税を下げよといっている人たちが、自分たちに都合のいいシナリオを出したもの。それに与党の増税派が勢いづいている。こんなキャンペーンは絶対に認められない」と述べました。

 自民党の石原伸晃前政調会長は「社会保障の医療の分野だけで、それだけお金がかかる国になる」と主張。民主党の長妻昭政調会長代理は、無駄遣い削減を強調しつつ、「未来永劫(えいごう)、消費税は上げないで済むとはいっていない」と述べました。

 小池氏は「(今後)社会保障の給付費が増えるのは当たり前。日本の財政には、それを支える力がないのかという問題だ」と指摘。欧州ではすでに社会保障の給付がGDP(国内総生産)比で約30%なのに、日本では今回の試算でも二〇二五年で19%にすぎないことを示し、「社会保障は極めて貧しくし、消費税だけはヨーロッパ並みにするというものだ」と批判しました。



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