2007年10月25日(木)「しんぶん赤旗」
米原潜
原子炉1カ月未点検
記録改ざん、日本にも寄港
【ワシントン=山崎伸治】米太平洋艦隊所属の攻撃型原子力潜水艦ハンプトンの乗組員が西太平洋航海中、毎日行うべき原子炉の安全確認を一カ月以上にわたって実施せず、そのことを隠すために記録を改ざんしていたことがわかりました。
米軍事専門紙ネービー・タイムズが二十二日に報じたもの。同艦は航海中、在日米軍基地にも寄港しており、ずさんな安全管理のもとで日本の海を航行していたことになります。
それによると、ハンプトンは九月十七日に七カ月に及ぶ西太平洋での航海任務を終え、カリフォルニア州サンディエゴ近郊のポイントロマ基地に寄港。そこで任務終了時に受ける原子炉の安全検査の際、問題が発覚しました。
海軍の規則では、原潜の原子炉内の化学物質や放射性物質を毎日検査することになっています。それが一カ月以上行われていませんでした。しかも記録を改ざんして「必要な検査をすべてやっていたかのように見せかけて」(同紙)いました。同紙は「化学物質の管理をきちんとしないと、長期的には原子炉システムの腐食を招きかねない」と指摘しています。
この問題で海軍は、原子炉管理を担当する士官一人と兵員五人をすでに処分。現在も調査を継続しており、追加の処分が下される可能性も指摘されています。
ハンプトンは米海軍の攻撃型原潜の主力ロサンゼルス級で、核・非核両用の巡航ミサイルの装備が可能です。太平洋艦隊に原潜を重点配備するという海軍の方針で、今回の航海終了後、同艦隊に移籍しました。
同艦は今年三月末から四月初めにかけて米軍横須賀基地、七月末に沖縄のホワイトビーチにそれぞれ寄港しています。
■関連キーワード