2007年10月26日(金)「しんぶん赤旗」

すべての薬害肝炎被害者
ウイルス性肝炎患者の救済を

志位委員長が会見


写真

(写真)記者会見で質問に答える志位和夫委員長=25日、国会内

 日本共産党の志位和夫委員長は二十五日、国会内でおこなった記者会見で、記者団から薬害肝炎問題について問われ、党の立場を表明しました。

 志位氏はまず、厚生労働省が薬害肝炎の患者を特定できる資料がありながら本人に通知していなかったことについて、「メーカー側から通知があったにもかかわらず、五年間、放置してきた責任は非常に重い」と指摘しました。

 血液製剤(フィブリノゲン)でC型肝炎に感染したとみられる四百十八人分の患者リストのうち、同省が二人の実名を確認したと発表した直後、あらたに八人の実名が判明するなど、ずさんな対応に終始していることについて、志位氏は、「厚生労働省が、どこまでこの問題をおさえているかについて大きな疑惑が持たれる」と述べ、「当時の担当者を国会によび、事実関係とその責任を究明する必要がある」と強調しました。

 また、血液製剤でC型肝炎に感染したとみられる患者に対しては、主治医を通すなどの配慮をとりながら、「適切な形で通知する必要がある」と述べました。

 志位氏は、C型肝炎の原因となる血液製剤を投与されたとされる約二十八万人について、「国と製薬会社が費用をもって、きちんと調査し、一人残らず本人に、そのリスクについて知らせるべきだ」と指摘しました。

 そのうえで、日本共産党国会議員団が昨年七月、薬害肝炎患者の救済とともに、薬害とは特定されないウイルス性肝炎患者にたいしても国の責任で医療支援、生活支援などをおこなうよう提言し、厚労相に申し入れをおこなっていることを紹介しました。

 ウイルス性肝炎は、(1)感染から数十年たって発症する例も少なくなく、診断時にはカルテの保存期間が過ぎて感染の経緯の立証が難しいこと(2)輸血や血液製剤、汚染注射器を介するなど医療行為が原因となってひきおこされた感染であることをあげ、「すべてのウイルス性肝炎患者を救済する措置をとる必要がある」と強調しました。

 さらに志位氏は、「厚労省が血液製剤フィブリノゲンの危険性について検証する機会が過去に何度もあった」として、米国がフィブリノゲンの危険を確認し、承認を取り消した一九七七年や青森県で集団感染が発生した一九八七年などを提示。「これまでの全過程での厚生労働省(当時、厚生省)の責任が厳しく究明されなければならない」「こうした薬害がくりかえされる政官財癒着の構造にもメスを入れる必要がある」と指摘しました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp