2007年10月26日(金)「しんぶん赤旗」
公立病院
“一律集約化避ける”
参院委 山下議員に総務相
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日本共産党の山下芳生議員は二十三日の参院総務委員会で、国が推進する自治体病院の「集約化・重点化」方針のもと、各地で公立病院の診療科が休診・閉鎖となり、地域医療が“崩壊”している問題を追及しました。増田寛也総務相は「県も入って、地域の実情をふまえた計画や関係者間の合意をとっていくことが必要」と述べ、一律な「集約化・重点化」は避ける意向を示しました。
山下氏は、九つの公立病院の「集約化・重点化」が進められている兵庫県の但馬地域の調査をもとに質問。同地域では、拠点病院の強化のため中小病院の医師が減らされました。夜間救急を中止せざるをえなくなった病院や、常勤医二人で外来診療や病床管理にあたるなど、医師の勤務条件は過酷になっています。
山下氏は、医師数が減る中、同地域では「私を待っている患者、お年寄りがいる限り、この病院で医師を続ける」と話す献身的な医師によってかろうじて地域医療が支えられている実情を紹介しました。このままでは中小病院は維持できなくなり、但馬地域全体の医療バランスが崩れるとして、「医療が崩壊すれば、人が住めなくなり地域が崩壊する」と政府に具体的な対策を迫りました。
増田総務相は「県、厚生労働省ともよく話をして実情をよくつかみたい」と述べるとともに、同地域の深刻な医師不足に対しては、「関係省庁とよく連携して医師確保にとりくむ」と述べました。