2007年10月26日(金)「しんぶん赤旗」

山田洋行

防衛省天下り13人

井上議員追及 社員の8.9%

97%が随意契約


 守屋武昌前防衛事務次官が、軍需専門商社「山田洋行」の元専務から接待を受け、行政をゆがめていた疑惑に関連し、日本共産党の井上哲士議員は二十五日の参院外交防衛委員会で、防衛省から同社への天下り社員が十三人存在することを指摘、「天下りを通じた癒着構造にメスを入れることが必要だ」と迫りました。


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(写真)質問する井上哲士議員=25日、参院外交防衛委

 井上氏は、疑惑の全容解明のために、衆院テロ特別委員会に加え、同委員会でも、守屋氏とともに、「山田洋行」の元専務、同社の創業者の証人喚問を行うよう求めました。

 そのうえで同社が、防衛庁(当時)の職員の多数に高級牛肉などを一斉に送りつけていたと報じられており、実際に同社の年間交際接待費が約九千二百万円(民間調査機関調べ)にのぼることも挙げ、守屋氏以外の職員も接待を受けていないか調査すべきだと求めました。

 石破茂防衛相は「きちんとした調査を行いたい」と答弁しました。

 さらに井上氏は、「山田洋行」と防衛省との癒着関係は、接待とともに天下りの問題があると指摘。元専務も同省OBであり、衆院調査局の報告書によると、同社在籍の防衛省OBが十三人(〇六年四月現在)で、社員数の8・9%に達することを示し、政府に確認しました。

 しかし、防衛省の中江公人官房長は「手元にない。よく調べてみたい」などと答弁。井上氏は「ここにも隠ぺい体質があると言わざるを得ない」と厳しく批判しました。

 これだけ天下りを受け入れている同社との契約実績を出すようたたみかけた井上氏に対し、防衛省の江渡聡徳副大臣は、守屋氏が防衛局長に着任した〇二年一月十八日から、〇七年十月二十四日までの契約件数(中央調達)は百五十一件、約二百二十九億円、このうち随意契約は百四十六件、約二百十九億円だと答弁し、随意契約は、件数で約97%に達することが明らかになりました。

 井上氏が、こうした天下りを通じた癒着構造にメスを入れるよう求めたのに対し、石破防衛相は「こうすべきだという議論は、真摯(しんし)に聞かせていただく」と述べました。


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