2007年10月26日(金)「しんぶん赤旗」

沖縄新基地に214メートルふ頭も

公文書で判明

米側、日本と協議


 米軍再編による沖縄県名護市辺野古沖新基地建設問題で、米側は二百十四メートルのふ頭建設や戦闘機装弾場(CALA)の設置などを求めて日本側と協議していたことが二十四日、分かりました。これらは「移転」元の普天間飛行場にはない施設。新基地建設の狙いが基地機能の強化にあることがいっそう明白となりました。

 辺野古沖に生息するジュゴンの保護を求め米裁判所に提訴していた「沖縄ジュゴン訴訟」の原告らが入手した公文書の米政府提出の証拠書類(二〇〇六年四月)に記されていたもの。

 原告のひとり、沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団の真喜志(まきし)好一氏(64)によると、米側が建設を求めているふ頭は、百八十メートル級の強襲揚陸艦が常時接岸可能なものです。真喜志氏は「(新基地は)軍港機能を要求されている」とのべました。

 戦闘機装弾場についても「これまで嘉手納基地にしかなかった」とのべ、名護市や東村高江区などで「爆発物を積んだヘリやオスプレイが上空を飛び交うことになる」と厳しく批判しています。

 公文書は新基地建設にむけた環境影響評価(アセス)にも言及。水域のみの環境アセスを意図する日本側に対し、米側は辺野古ダム区域、シュワブ陸上区域など陸域でも環境アセスするよう「勧告」しています。

 その上で、「もし、環境アセスが不完全ならば、建設や将来の運用により…予想外の影響が生じた場合、米国海兵隊が責任を負わされるであろう」などと危ぐしています。

 現在、沖縄防衛局が強行する環境アセス手続き。その方法書は、陸上区域の調査が抜け落ちています。また本来、アセスの対象となるふ頭や戦闘機装弾場の記載も一切ありません。新基地の詳細は依然として不透明のまま。

 真喜志氏は「これら重要事項を隠したままの新基地建設の合意は無効。政府とあろうものが、国民をだましてよいのか」と話します。



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