2007年10月27日(土)「しんぶん赤旗」
タクシー会社の組合つぶし
二審も労働者勝利
大阪高裁
タクシー最大手の第一交通産業(本社・北九州市)による組合つぶしを目的とした佐野南海第一交通(大阪府泉佐野市)の偽装解散で、不当解雇された自交総連大阪地連・佐野南海交通労組の組合員五十五人が、親会社の第一交通の雇用責任と未払い賃金の支払い、慰謝料などを求めていた裁判の控訴審が二十六日、大阪高裁でありました。島田清次郎裁判長は第一交通の雇用責任を認定し、一審判決に続き組合側が全面勝利しました。
判決は、雇用責任を子会社・御影第一(本社・神戸市)としていた一審判決から、より踏み込み、親会社にあるとした点で画期的です。また、各組合員に未払い賃金の支払いと、不当労働行為について第一交通とともに同社の黒土始会長、田中亮一郎社長は個人としても共同責任があるとし、連帯して各組合員に七十万円、自交総連大阪地連に百十万円、佐野南海交通労組に二百二十万円の慰謝料の支払いを命じました。
判決後の報告集会では弁護団が、「完全勝利です。今後の労働者のたたかいに大きく貢献するものです」と強調しました。
堀川卓夫佐野南海交通労組委員長が、「職場復帰し、争議を全面解決するまでがんばります」と声を詰まらせながら決意をのべました。
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