2007年10月28日(日)「しんぶん赤旗」
今週の国会
あす守屋氏を喚問
被災者支援、薬害肝炎も焦点
海上自衛隊のインド洋派兵を継続する新テロ特措法案が衆院テロ特別委員会で審議入りしました(二十六日)。二十九日には、海自補給艦による給油量の隠ぺい問題や、防衛関連企業がらみの接待、便宜供与疑惑で、守屋武昌前防衛事務次官の証人喚問が行われ、三十日には日本共産党をはじめ野党各党の法案質疑も始まります。
行政ゆがめた
給油量隠ぺい問題で、防衛省が出した報告書(二十二日)では、偽りに気づきながら報告していなかった海上幕僚監部の防衛課長の責任をもっぱら問題にしています。しかし、その後、石破茂防衛相は、海幕以外の内部部局(背広組)でも、正確な給油量が記された資料があったことを認めており、組織ぐるみの隠ぺいだった疑いが、より深まっています。
守屋氏は当時、偽りの応答要領を作成していた防衛局の責任者(防衛局長)。隠ぺい問題は、新法案に直結する問題であり、証人喚問での徹底究明が求められています。
また守屋氏は、軍需専門商社「山田洋行」の元専務から接待を受けた見返りに、便宜供与をはかった疑惑ももたれています。事実だとすれば、行政をゆがめた重大問題であり、真相を明らかにすることが必要です。
証人喚問では、日本共産党からは赤嶺政賢議員が尋問に立ちます。
一日期限切れ
十一月一日は、現行の海自派兵の根拠法であるテロ特措法の期限切れ。海自部隊の活動は中止することになりますが、政府・与党は、中断期間をできるだけ短くするため、新法案の審議を急ぐ構えです。
与党は、二十六日の審議で、「自衛隊を活用した国際貢献はいかにあるべきか」(自民党の岩屋毅議員)という主張を展開しました。
しかし、いま必要なのは、対テロ報復戦争が報復の連鎖とテロの拡散をもたらした六年間の現実を踏まえ、「テロを根絶するために何が求められているのか、日本は何をなすべきか、その根本からの議論」(日本共産党の志位和夫委員長)です。
三十日の衆院テロ特別委員会(NHKが中継)では、日本共産党の笠井亮議員が質問に立ち、この立場で政府の姿勢をただす予定です。
生活関連でも
今週は、国民生活にかかわる問題で、注目される動きがあります。
民主党が参院に提出した年金流用禁止法案の質疑が三十日の厚生労働委員会でおこなわれます。また与党が衆院に、民主党が参院に提出した被災者生活再建支援法改正案が、三十一日に参院で、十一月一日に衆院でそれぞれ審議入りし、並行して両案の一本化に向けた調整がおこなわれる見込みです。日本に帰国した「中国残留孤児」の支援法案も、すでに与野党で一致しており、今週にも衆院厚労委員会に委員長提案として提出される予定となっています。
さらに厚労省が血液製剤によるC型肝炎感染者を特定できる情報を把握しながら本人に通知していなかった問題で、事実関係と責任の徹底追及と被害者・患者をいかに救済するかの質疑が焦点となります。
三十一日には、今臨時国会では初めて、福田康夫首相と小沢一郎民主党代表との党首討論がおこなわれます。