2007年10月28日(日)「しんぶん赤旗」

「集団自決」

軍強制への訂正申請

教科書執筆者 「あくまで検定撤回」


 沖縄戦「集団自決」の教科書検定問題で、日本軍の強制を示す記述の修正を余儀なくされた執筆者の一人、坂本昇さん(51)=高校教師=は二十七日、都内で記者会見を開き、文部科学省へ提出する訂正申請について検討中の案を公表。日本軍の強制を強調する記述にすることを明らかにしました。

 坂本さんによると、現在検討中の案は「日本軍によって『集団自決』を強いられたり…」または「おいこまれたり…」という記述です。修正前や修正後の記述よりも軍の強制性を強調しています。

 また、「集団自決」が「強制集団死」とも呼ばれていることがわかるよう、注を付け加えることも検討しています。もし、書き加えられれば教科書では初めての掲載になるといいます。

 史料として掲載している沖縄県渡嘉敷島の「集団自決」体験者の手記について、これまで省略していた「軍から命令が出たとの知らせがあり…」というくだりを付け足すとしています。

 さらに、教科書検定で軍強制の記述が削除・修正された問題や、沖縄県民大会が開かれたことを、検定後の出来事として書き加える意向です。

 坂本さんは訂正申請を決意するにあたって「粘り強い沖縄の人の力に押されたし、励まされた」とのべ、「安易な訂正ではなく、あくまで検定意見の撤回を求める沖縄の人たちの気持ちを大事にしなければいけない、中途半端な訂正を申請するわけにはいかないという気持ちで取り組んだ」と語りました。



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