2007年10月29日(月)「しんぶん赤旗」
英軍撤退 早期完了を
戦争ストップ連合が年次総会
ロンドン
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【ロンドン=岡崎衆史】英国の反戦団体「戦争ストップ連合」は二十七日、ロンドン市内で年次総会を開き、すでに段階的に始まっているイラクからの英軍撤退を早期に完了させる努力を続けるとともに、アフガニスタンからの軍撤退と対イラン攻撃反対の運動を強めることで一致しました。同連合は、十二月にロンドンで反戦国際会議を開き、アフガンからの外国軍撤退と、米国のイラン攻撃に反対する運動を高揚させていく起点とすることを確認しました。
総会は決議を採択し、アフガンの治安情勢が悪化していることを念頭に、「軍事介入は平和も、真の民主主義ももたらさない」として、同国からの英軍撤退を要求しました。さらに、「イラクの英軍が米国のイランへの新たな侵略計画に組み込まれる兆候がみられる」として、米国の対イラン強硬姿勢とそれに同調する英政府に警戒感を示し、イラン侵略反対を表明しました。
総会で再選されたアンドルー・マレー議長は、「イラクで英軍の撤退が進む一方で、アフガンへの部隊展開が進み、イラク同様の悲劇や破たんを引き起こしている」と述べ、同地で米軍や北大西洋条約機構(NATO)軍の空爆で多数の民間人と兵士の死者がでていることを批判しました。イラン攻撃については、「イラク以上に悲惨な結果を招く」と警鐘を鳴らしました。
イラン政府による人権抑圧に反対するイラン人亡命者の組織「イラン国民権利擁護委員会」のジャムシド・アハマディ副書記長は、イラン攻撃は体制側による自由抑圧を強めると指摘し、軍事攻撃ではなく、外交と交渉による解決を求めました。
六年前の結成総会にも出席したというヘイゼル・セイビーさん(71)=元英語教師=は、「私たちの運動がブレア(前)首相の辞任と英国のイラクからの段階的撤退を導きました。次は、アフガンとイランの戦争をやめさせるために力を尽くします」と語りました。
英戦争ストップ連合 英国のさまざまな組織と個人活動家が反戦で結集した連合体。二〇〇一年九月の米同時テロの十日後、米国がアフガニスタンへの報復戦争準備を進める中、それを懸念する約二千人が参加して発足。対米同時テロを非難する一方で、戦争は多数の死者と政治・経済的被害を生み出し、人種差別や市民的自由の抑圧につながるとして反対を表明。米国とその同盟国によるアフガン戦争、イラク戦争、イスラエルによるレバノン侵攻などに反対してきました。イラク戦争開始直前の〇三年二月には、ロンドンで二百万人が参加する大デモを成功させました。
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