2007年11月2日(金)「しんぶん赤旗」

薬害肝炎

天下り官僚と謀議

旧厚生現職 リスト隠し

小池議員指摘


写真

(写真)質問する小池晃議員=1日、参院厚労委

 薬害肝炎被害者リスト問題で、厚生省(現厚生労働省)天下り官僚と現職官僚が「共同でもみ消しの犯罪をおかしていた」ことが一日、明らかになりました。同日の参院厚生労働委員会で、日本共産党の小池晃議員が指摘し、厚労省と製薬企業の責任を追及しました。

 小池氏によると、厚生省天下り官僚と現職官僚が被害を積極的に公表しないことで合意した時期は、一九八七年四月、青森県でC型肝炎が集団発生した直後。厚生省薬務局で行われ、同省から旧ミドリ十字(現田辺三菱製薬)に天下りした今村泰一東京支社長が出席しました。

 合意内容は、(1)会社からは(被害発生について)積極的に話はしない(2)フィブリノゲン関係の窓口は必ず一人に絞ること(3)報道関係者、医療従事者、患者等は、相手からなにかを引き出そうとしているのでとくに注意を払う―など。

 この協議にミドリ十字から出席した今村氏は、厚生省薬務局企画課長補佐、国立衛生試験所総務部長を務めた後にミドリ十字に天下りしました。

 厚生省時代の今村氏は薬害エイズ被害に重大な責任をもっていた同省の松下廉蔵薬務局長の部下でした。合意当時は、松下氏はミドリ十字の社長。医薬品による被害発生を規制する立場の実質的最高責任者が、規制される側の社長になっていました。

 小池議員は「薬害エイズ事件と同じ癒着の構造だ。徹底的に解明されるべきだ」と追及。舛添要一厚生労働相は「国民の常識からすると小池議員と同じ疑義を共有します。背景も含めてきちっと解明したい」と答弁しました。


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