2007年11月2日(金)「しんぶん赤旗」
貸金業法政令案を批判
大門議員 過剰融資に抜け道
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日本共産党の大門実紀史議員は一日の参院財政金融委員会で、昨年末に成立した改正貸金業法に関連する政令案に、過剰融資を防止する「総量規制」の例外規定が盛り込まれているとして、その撤回を強く求めました。
改正貸金業法は、多重債務の発生を防ぐため「グレーゾーン(灰色)金利」の撤廃のほか、利用者の年収の三分の一を超える貸し付けを禁止(総量規制)しています。しかし、同法の施行に伴うルールを定めた政令案では、「同意があれば、配偶者の年収と合算できる」などとして、貸し付けの総量規制に、いくつかの例外規定を設けています。
大門氏は「これでは返済能力のない無収入の者にも貸し付けが可能になる」と指摘。多重債務者の多くは主婦や若者など無収入・低収入の者であり、債務者以外の収入をあてにした過剰融資は、法の趣旨にも逸脱していると強調しました。
金融庁の三国谷勝範総務企画局長は「配偶者の同意、夫婦合算などの要件のもとでのみ、貸し付けを可能にしている」などと答弁。大門氏は「『配偶者の同意』というなら、その同意意思はどう確認するのか」と述べ、要件の厳格な運用がなければ法の抜け道を作るだけだ、と政府の姿勢を厳しくただしました。
三国谷局長は「(貸金業者の)同意書の取得方法や確認の仕方を含め、具体的な監督手法をよく研究する」と答弁しました。