2007年11月3日(土)「しんぶん赤旗」
自衛隊派兵の恒久法づくりに反対する
志位委員長が会見
自民、民主の両党で浮上している自衛隊海外派兵のための恒久法制定に向けた動きに対し、日本共産党の志位和夫委員長は二日、国会内で記者会見し、「恒久的な憲法違反法であり、どんな形であれ、絶対に反対だ」と表明しました。
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志位氏は、福田康夫首相が、恒久法について「民主党が言われるならば、民主党と相談する」と述べ、民主党の小沢一郎代表も「国際貢献や平和の確保、維持のために基本法をつくろうというのは、私の年来の主張だ」と発言していることを挙げ、「非常に重大な事態の進展だ」と指摘しました。
そのうえで、昨年八月に自民党の防衛政策検討小委員会(石破茂委員長=当時)がまとめた「国際平和協力法案」と、小沢代表が自由党党首時代にまとめた「安全保障基本法案」(二〇〇三年四月)を示し、「二つの法案を比較、対照してみると、非常に重大な問題が出てくる」と述べました。
自民党案では、国連の決議がなくても派兵が可能であり、活動内容としては、自衛隊が「安全確保活動」(=治安維持活動)などもできるものになっています。
志位氏は、イラク特措法でも、「安全確保支援活動」=治安維持活動への「支援」しかできなかったことと比較しながら、恒久法は「アフガニスタンでやっているような掃討作戦も(活動の)対象となるものだ」と告発しました。
また自民党案は、新たに「警護活動」も任務に規定。さらに、これまでの海外派兵法でも「正当防衛」などに限られていた武器使用が、「任務遂行のために合理的に必要と判断される限度」まで可能になっています。志位氏は「これは海外での武力行使を事実上可能にするものだ」と批判しました。
一方、小沢氏を中心に旧自由党が作成した「安全保障基本法案」は、活動の条件として、国連の決定があった場合としつつも、活動内容では、自民党案よりもさらに踏み込み、はっきりと「武力の行使を伴う活動を含む」活動に「協力する」と明記しています。
志位氏は、両案には国連決議にもとづき発動するのかどうかに違いはあるものの、共通項として、(1)個々の紛争に対応する特措法ではなく、世界のどこであれ自衛隊を派兵させることができる恒久的な措置としての法案となっている(2)活動内容も、自民党案は海外での事実上の武力行使に踏み込むものであり、旧自由党の「安全保障基本法案」ははっきりと海外での戦争に踏みこむものとなっている――ことを指摘しました。
最後に志位氏は「自民、民主両党が、こうした危険な共通項をもつ恒久法をめざしていること、両党間で恒久法づくりの協議がおこなわれる可能性があることに強い警戒が必要だ。自衛隊派兵の恒久法づくりに反対するたたかいを大いに強めていきたい」と表明しました。