2007年11月3日(土)「しんぶん赤旗」

消費税増税盛り込む

来年度税制で政府税調会長


 政府税制調査会(香西泰会長、首相の諮問機関)は二日、企画会合を開き、消費税増税の方向でほぼ一致しました。香西会長は会合後の記者会見で、今月末に取りまとめる「二〇〇八年度税制改正答申」に消費税増税を盛り込む考えを示しました。

 吉川洋消費課税担当主査(東京大学教授)は同日の会合に、社会保障の安定的な税財源の確保にむけ「税制改革により安定的な財源を制度的に確保することが不可欠」などとした論点メモを提出しました。その上で、個人的見解として、「消費税増税が避けられない」と発言しました。

 吉川氏は会合後の記者会見で、「(委員の)多数の方は私の個人的見解に賛成してくださったと思う」と強調。税制「改革」について、「社会保障制度の将来と一体で考えなくてはいけない。これはコンセンサスだ」と述べました。

 香西会長は、「社会保障について(消費税増税が)必要になったといえば、(国民に)好意的に迎えられるということは、世論調査にも出ている」と述べました。

 同会合に欠席した高木剛委員(連合会長)は、「定率減税の全廃や社会保険料の増加など暮らしを圧迫する負担増が繰り返されており、このような状況下で負担増のみの消費税引き上げには反対と言わざるを得(ない)」とする文書を提出しました。

 消費税は「社会保障のため」として導入されました。しかし、消費税導入後、社会保障は連続改悪され、消費税の税収は、ほぼ法人税の減収分の穴埋めに消えました。



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