2007年11月8日(木)「しんぶん赤旗」

最賃下がる恐れも

高橋議員に厚労省認める


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(写真)質問する高橋千鶴子議員=7日、衆院委

 日本共産党の高橋千鶴子衆院議員は七日の厚生労働委員会で、最低賃金法改定案が「生活保護基準との整合性」を盛り込んだことについて、抜本的引き上げには不十分であり、政府が生活保護基準の改悪を狙っているもとで、逆に引き下げられる恐れがあるとのべました。

 高橋氏は、政府が生活保護基準の見直しを検討していることにふれ、最低生活費を引き下げることや、それと連動した最低賃金の引き下げがあるのかとただしました。厚生労働省の中村秀一社会・援護局長は、最低生活費が「検証の結果下がるケースもある」と答弁。青木豊労働基準局長は、最低賃金も「機械的に下げられるものではない」としつつ、「否定されるものでない」と認めました。高橋氏は、これでは最低賃金が大きく改善されることはなく、引き下げもありうると指摘しました。

 高橋氏は、全国平均十四円上がったものの青森県の最低賃金が六百十九円で、フルタイムで働いても十一万円足らずで全国の日雇い派遣労働者の平均月収を数万円も下回ることにふれ、「依然としてワーキングプアの実態ではないか」とのべ、最低賃金の抜本的な引き上げを求めました。舛添要一厚労相は、「これで生活するのは大変かなという気もするが、公平な立場で決めたものだ」としながら、「長期的には最低賃金を上げていくべきだ」と答えました。

 労働契約法案について高橋氏は、労働基準法一八条の解雇権の乱用禁止規定が同法案に移されることによって後退することはないのかと質問。また、同法が施行以後も労働者にとって不利益変更があった場合、労働局はどういう役割を果たしていくかとただしました。

 青木局長は、「解雇権の乱用は民事ルールを定めているものなので契約法に置くほうが適切ということでそのまま持ってきたものであり、変わるところはない」と答弁。労働局の役割について、「契約法について周知し、窓口で十分相談にこたえるよう対応したい」と答えました。



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