2007年11月9日(金)「しんぶん赤旗」
司法試験漏えい防げ
仁比氏 事件解明求める
日本共産党の仁比聡平議員は八日の参院法務委員会で、法科大学院の修了生を対象にした今年度の新司法試験(五月実施)での出題の漏えい問題について「新制度の公正さに対する決定的な不信を広げている」と強調し、徹底解明と厳正な対応を求めました。
同試験をめぐっては、出題などを担当する「考査委員」を務める慶応大学法科大学院の植村栄治教授(当時)が今年二―三月、学生対象の答案作成練習会を開き、試験問題と類似した出題と解説をしていたことなどが発覚。植村氏は六月、考査委員を辞職しましたが、法務省の司法試験委員会は同氏の行為を「不適正」と表現するにとどめ、経過調査や再発防止策も著しく不十分なものとなっています。
植村氏の事前示唆が疑われている公法系の論文試験に出題された問題を同氏が知った時期について、仁比氏が再三にわたって法務省をただすと、池上政幸大臣官房長は「(植村氏は)答案(作成の)練習会の前に知っていた」と認めました。
仁比氏が厳正な対応を迫ると、鳩山邦夫法務相は「(たしかに)言語道断だ。調査はいろいろやる。二度と起こらないようにするためにはロースクール(法科大学院)で教える人間が問題を作らないのが大事だ」と答弁しました。