2007年11月10日(土)「しんぶん赤旗」
農業政策 不備認める
紙議員質問 自給率低下で農水相
若林正俊農水相は八日の参院農林水産委員会で、日本の食料自給率の下落の要因として、「国内食材の供給体制をどうつくりあげるか、ということが十分でなかった」と述べ、国の農業政策に不備があったことを、政府として認めました。日本共産党の紙智子議員への答弁です。
政府は、これまで「食料自給率の低下は、日本の食生活が洋風化したため」などとして、政策の不備を一貫して否定してきました。これに対し、紙氏は「日本の食料自給率の低下は政府の政策の結果もたらされたものだ」と指摘。(1)小麦、大豆、飼料などを米国からの輸入に依存する農業基本法の制定(一九六一年)(2)円高政策による食料輸入の無秩序な受け入れ(一九八五年)(3)牛肉・オレンジをはじめとする農産物十二品目の輸入自由化(一九八八年)を転機に食料自給率が著しく低下したことを数字をあげて示しました。
若林農水相は、紙氏の指摘を否定できず、「国全体の貿易利益のために、農業政策では譲歩せざるをえなかった」と答弁。「精いっぱい、国内生産対策を講じてきたが、十分、農業生産を再建するまでつながらなかった」と認めました。
紙氏は、食料自給率の向上は国の存立にかかわる問題だと述べ、「日本政府も国の主権を守るという視点からWTO(世界貿易機関)協定の見直しを強く求めていくべきだ」と強調しました。