2007年11月11日(日)「しんぶん赤旗」

改正被災者支援法

力合わせ国動かした

市民と共産党が連携


 「みんなで力を合わせたら国が動いた。未来がみえた」―。九日、衆参両院で全会一致で可決・成立した改正被災者生活再建支援法は、被災者の悲願だった住宅本体への支援を可能にするものです。日本共産党は、阪神・淡路大震災以来、国による個人補償と住宅保障を求めてきました。


写真

(写真)中越沖地震の被災者に要望を聞く志位和夫委員長(中央)と(右へ)吉井英勝衆院議員ら=7月18日、新潟県柏崎市の柏崎小学校避難所

 同法は、阪神・淡路大震災(一九九五年一月)を経験した被災者の公的支援を求める切実な声におされ、九八年に成立しました。しかし、政府は「個人資産への公的資金の投入はできない」として、支援金を住宅の建設や補修費用に使うことを認めませんでした。

 今回の改正に、被災者からは、「地震や水害などで亡くなった多くの人たちの犠牲の上にうまれた支援法を、充実させることができてうれしい」「次の被災者のためにと思い、要請などをしてきた。実現できてよかった」と、喜びの声があがっています。

 日本共産党は、阪神・淡路大震災直後の九五年二月に、国による個人補償と住宅保障を求める提案を行い、翌年には党独自の法案大綱を発表。それをたたき台として、市民団体などと手を携え、超党派の立法運動を前進させてきました。

 二〇〇一年には住宅本体への支援、既存ローンの負担軽減などを盛り込んだ改正案大綱を発表し、六月には党単独で、改正案を参院に提出。世論と運動との連携を追求してきました。

 〇四年の見直しの際には、民主党、社民党と共同で、支給対象に住宅の建築費や補修費を追加することなどを求め、修正案を提出。同案は否決されましたが、支援金の円滑な支給や弾力的な運用などが、付帯決議に盛り込まれました。

 今国会でも、共産党の国会議員団は委員会質問で積極的にとりあげ、現地の声を届けてきました。仁比聡平参院議員は、二〇〇〇年の鳥取県西部地震で鳥取県が独自に住宅本体への支援をしたことで、多くの人が住み慣れた土地を離れずにすんだことをとりあげ、住宅本体への支援がいかに大事であるかを訴えました。

 十月十八日には、志位和夫委員長が、改正案成立のため、「党派を超えて知恵をしぼるべきだ」とのべ、与野党協議を呼びかけていました。


改善に今後も尽力

写真

 日本共産党国会議員団災害部会長の高橋千鶴子衆院議員の話 改正支援法は、住宅本体への支援が盛り込まれるなど大きな前進となりました。これは、悲しみを乗り越えて立ち上がり、粘り強い運動をすすめてきた被災者のみなさんと共同でつくりあげたものです。

 国会には、新潟県などから多くの被災者がつめかけ、政府と国会議員に要請しました。最終盤は、政局が揺れ動きましたが、与野党の各議員は、今国会でなんとしても成立させようと、当初の会期末だった十日までの日程をにらんで、話し合いをすすめてきたのです。

 私自身もこの間、何度も被災地に足を運んできました。そこで出会ったみなさんのことを思い出しながら、与野党の議員に働きかけてきました。委員会や理事会でも発言し、共産党がおこなった申し入れの文章を委員会の理事に手紙つきで届けたりもしました。最後には、政府が厳しい答弁をしていた遡及(そきゅう)措置についても反映され、本当によかったと思っています。

 一方で、半壊世帯が支援の対象にならないことや、支援額も少ないなど不十分な面も残されていますが、これらは付帯決議で見直しの検討課題に盛り込まれました。新潟や秋田など遡及適用された地域の声をよく聞き、被災者の方々と連携しながら、真に実効性ある支援法へ改善できるよう今後も力を尽くしたいと思います。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp